【9月22日 AFP】スイス連邦最高裁判所は21日、食品大手ネスレ(Nestle)のブランド「ネスプレッソ(Nespresso)」のカプセルは、商標法の保護対象とは認められないとの判断を下した。

 最高裁は、類似製品を販売しようとする競合他社が採用しなければならない形状である場合、商標として登録はできないとしている。

 ネスプレッソの広報担当者はAFPに対し、最高裁の決定に驚き、失望しているが、判決は受け入れると語った。

 世界有数の食品会社であるネスレは、スイス西部ボー(Vaud)州ブベイ(Vevey)に本社を構える。

 ネスレと傘下のネスプレッソは2011年9月、エシカル・コーヒー(Ethical Coffee)社製カプセルの販売差し止めを求める訴えをボー州裁判所に起こした。

 エシカル・コーヒーのカプセルの形状は、ネスプレッソのオリジナル用カプセルと類似しており、オリジナル用のコーヒーマシンに対応していた。ネスプレッソのカプセルはアルミニウム製だが、エシカル・コーヒーのものは植物性繊維と生分解性のでんぷんで作られており、2010年代初めからフランスとスイスで販売されていた。

 エシカル・コーヒーは2018年に破産している。

 ボー州の裁判所は販売差し止めの訴えを退ける決定をしたが、ネスレはこれを不服とし、連邦最高裁に上訴していた。

 最高裁は、ネスプレッソのカプセルのサイズや円すい部分の角度、上部や容量は同社のコーヒーマシンで最適化されるよう設計されていると指摘。競合他社がこれらの規格に合わせる必要があり、形に技巧を凝らす余地はあまりないと判断した。(c)AFP