【9月22日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は21日、今月初めに行われたW杯カタール大会(2022 World Cup)欧州予選のイングランド代表戦でファンが人種差別的なチャントを歌ったとして、ハンガリー代表に対して執行猶予付きの無観客試合処分と20万スイス・フラン(約2370万円)の罰金を科すと発表した。無観客試合は2試合が対象になるが、うち1試合は2年間の執行猶予付きとなっている。

 イングランドが4-0で勝利した2日の試合では、ラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)とジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)に対してモンキーチャント(猿の鳴きまね)が浴びせられた。

 また、人種差別に反対するためにイングランドの選手たちが試合前にピッチに膝をつくと、プスカシュ・アレーナ(Puskas Arena)には耳をつんざくようなブーイングが飛び、敵意に満ちたホームの観客からはコップや発煙筒といったさまざまなものが投げ入れられた。

 英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相も試合翌日、FIFAに対して「強力な行動」を取るよう要請していた。

 今回の処分を受けてハンガリーサッカー連盟(MLSZ)はこの日、人種差別的行動は「強く非難」されるべきだと述べたが、FIFAによって下された制裁は「本当の犯人を罰する」ものではないと主張した。

 同連盟は発表文の中で「選手に対して人種差別的と証明された行動は、強く非難されるべき」と記した。(c)AFP