【9月3日 AFP】2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)欧州予選は2日、各地で第4節の試合が行われ、グループIのイングランドは後半の4得点でハンガリーに4-0で快勝したが、ファンの人種差別的チャントに水を差される結果となった。

 英国メディアによれば、イングランドのラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)とジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)にモンキーチャント(猿の鳴きまね)が浴びせられたという。

 前半に枠内シュートを1本も打てなかったアウェーのイングランドは、スターリングが55分に均衡を破ると、ハリー・ケイン(Harry Kane)とハリー・マグワイア(Harry Maguire)がヘディングでゴールを奪い、終盤にはデクラン・ライス(Declan Rice)にも得点が生まれた。

 開幕4連勝のイングランドは、同日にアルバニアを4-1で下した2位ポーランドに5ポイント差をつけており、両チームは8日にワルシャワで対戦する。

 イングランドのサポーターが敵地ブダペストに遠征することはできない中で、プスカシュ・アレーナ(Puskas Arena)に押し寄せた6万人を超える地元ファンは、アウェーチームに対して威圧的な雰囲気を演出しようとしていた。

 ハンガリーを率いるマルコ・ロッシ(Marco Rossi)監督からマナーを守るよう呼びかけがあったにもかかわらず、人種差別に反対するためにイングランドの選手たちが試合前にピッチに膝をつくと、耳をつんざくようなブーイングが飛んだ。

 先制点の後にはスターリングに向けてプラスチック製のビールグラスが投げ込まれ、同選手はその後もブーイングを浴びた。また、マグワイアが自身のゴールを喜んでいると近くに発煙筒が投げ入れられ、モンキーチャントも確認されたと報じられている。

 イングランドのギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督は試合後、今回の出来事は「全く許容できない」と述べた。

「選手はいかなる種類の差別にもさらされるべきではない。行為に及んだ人は処分されなければならない」 (c)AFP