【9月21日 AFP】米カリフォルニア州では20日、山火事からジャイアントセコイアを守るため、消防士数百人が消火活動を続けた。火を制御できなくなっており、巨木群が焼失する恐れが出ている。

 巨木群がある森林地帯で複数の火事が合流しつつあり、全てを焼き尽くす山火事の脅威があらわになった。

 現場の担当者によると、すでに1万ヘクタールを焼いた山火事「ウィンディー・ファイア(Windy Fire)」が、セコイアが生育する「ペイロン・グローブ(Peyrone Grove)」と「レッドヒル・グローブ(Red Hill Grove)」に到達した。

 現地紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)によると、ウィンディー・ファイア対策本部の広報担当者アマンダ・マンジー(Amanda Munsey)氏は、「セコイアが被害を受けたかは分からない」とした上で、2か所の森林地帯が完全に火に包囲されていると述べた。

 これらの森の近くにある「ロング・メドウ・グローブ(Long Meadow Grove)」では、少なくとも1本のセコイアの頂部が燃えたという。

 特に巨木の頂部が燃えると下方に燃えさしが拡散するため、火が森全体に急速に広がる可能性がある。

 加州北部では、大規模火災「KNPコンプレックス(KNP Complex)」がセコイア国立公園(Sequoia National Park)内の「ジャイアント・フォレスト(Giant Forest)」に迫っている。

 ジャイアント・フォレストには、国立公園局(NPS)が樹齢2200年と推定する「シャーマン将軍の木(General Sherman Tree)」と呼ばれる、体積が世界最大のセコイアが生育している。高さは83メートル。先週火災から守るため、耐火シートが巻き付けられた。

 加州など米西部は数年にわたり干ばつに見舞われており、一帯の森林は乾燥し燃えやすくなっている。

 映像は17日撮影。耐火シートが巻き付けられた写真は国立公園局より提供。(c)AFP