【9月20日 AFP】自転車ロードレースのトニー・マルティン(Tony Martin、ドイツ)が、現在開催中のUCIロード世界選手権大会(2021 UCI Road World Championships)限りで現役を引退することになった。所属するチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)が19日に発表した。

 大会通算4度の優勝を誇るマルティンは、「19日の個人タイムトライアル、そして22日の混合リレーがキャリア最後のレースになる」と話した。

 現在36歳のマルティンは、2011年から13年、そして16年に世界選手権・エリート男子個人タイムトライアルで優勝。2008年からトップレベルで活躍し、2011年から2015年にかけてツール・ド・フランス(Tour de France)で区間5勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)で同2勝を挙げた。

 しかし今年のツールでは、観客との衝突が原因で発生した初日の大規模な集団落車に巻き込まれると、第11ステージ序盤でも沿道の深い溝に落ちて顔と脚を負傷し、大会を棄権した。

 マルティンは「今年はひどい落車を経験し、それもあって、このスポーツのリスクと今後も向き合い続ける覚悟が自分にあるのかと考えるきっかけになった」と認めた。

「向き合いたくないと決めた。特に、コースやバリアーについて何度も話し合ったにもかかわらず、レースの安全性が改善されていないことは大きかった」

 マルティンは、この日行われた個人タイムトライアルで6位に入った。(c)AFP