【9月19日 AFP】武装したアフガニスタンのイスラム主義組織「タリバン(Taliban)」の戦闘員が、家族連れに交じってカブール動物園(Kabul Zoo)を楽しんだ。地方出身の若い戦闘員にとって、動物園は初めての体験となった。

 来園者が日陰でくつろぎ、アイスクリームや塩漬けザクロを楽しむ傍らで、自動小銃AK47やM16アサルトライフルで武装したタリバン戦闘員が、ライオンやヒョウ、ラクダ、オオカミ、ダチョウ、マカックを熱心に見ていた。

 地方で何年も戦いに明け暮れた戦闘員の大半は動物園はもちろんのこと、首都に足を踏み入れたのも今回が初めてで、自撮りをしたり、集合写真を撮ったりしていた。戦闘員の一人が鹿の枝角をつかむと仲間が笑い出し、静かな雰囲気は破られた。

 戦闘員が現れたのは金曜礼拝の後だった。伝統的な帽子やターバン、ショールを着け、中にはアフガニスタン男性の間で人気のアイメークをしている戦闘員もいた。

 タリバンのメンバーで、現在は内務省に勤務するアブドル・カーディル(Abdul Qadir)さんは、男性の友人グループと一緒に見学していると語った。特にアフガニスタンに生息する動物が好きで、ライオンも大好きだと言う。

 他国では見られない武器を携帯しての入園について問われると、タリバンは子どもや女性を怖がらせないため武器持ち込み禁止を支持していると話した。

 女性が自由に利用できる公共施設がほぼないカブールにおいて、動物園は女性や子ども、若い恋人たちの憩いの場となっていた。

 戦闘員6人は、弾薬や手錠を身に着け、ひさしつきの帽子と膝当てをしていた。ターバンを巻いたムッラー(イスラム教に精通した男性に対する尊称)を囲み集合写真を撮っていた。

 別のグループは、自撮り用に8歳の少年にライフルを持たせていた。

 カブール川のほとりにある動物園の入園料は、アフガニスタン人は40セント(約44円)だが、払わないタリバン戦闘員もいた。「園内への銃持ち込み禁止」の立て看板も堂々と無視していた。(c)AFP/James EDGAR