【9月19日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルスで優勝を果たしたエマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)の祖母ニクリナ(Niculina Raducanu)さんが、英紙のインタビューに応じ、ラドゥカヌが呼吸困難に陥ってウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)を棄権した後、孫の体を心配してテニスをやめさせたがっていたことを明かした。

 ラドゥカヌはルーマニア人の父と中国人の母を持ち、現在88歳のニクリナさんは父方の祖母に当たる。ラドゥカヌからは「マミヤ(ルーマニア語で祖母への親愛の情を表す呼び方)」と親しまれ仲もいいが、ウィンブルドン4回戦で孫が棄権を強いられたときにはひどく心配になり、引退の話をラドゥカヌの両親に持ちかけたという。

 ブカレストの自宅までやって来た英紙デーリー・メール(Daily Mail)の記者に対して、ニクリナさんは「あの子の両親に、テニスをやめるべきじゃないかしらと尋ねた」と明かし、「だって、エマに何かあったら大変でしょう」とコメント。「健康の方が(富や名声より)大切よ」と続けた。

 ところが、前週11日の全米オープン決勝では、倒れそうになったのは孫ではなく祖母の方だった。

「孫が全米オープンを勝った晩(ラドゥカヌがレイラ・フェルナンデス<Leylah Fernandez、カナダ>を6-4、6-3で下して優勝)は、心臓に悪くて見られなかった」と告白したニクリナさんは「『本当に大変な試合になる』と思っていたから、見ないことにした」と話した。

「次の日にニュースでやっと知った。孫が強く、健康なのがうれしかった。心の方も大丈夫だったようだし。何しろ、前回(ウィンブルドンで)ああいうことがあった後だったから」

 また、ラドゥカヌについて「もちろん、自慢の孫よ」と話したニクリナさんだが、これまでは孫が達成した偉業を近所や友人に明かしたい気持ちを抑えてきたという。「自分が四大大会(グランドスラム)女王の祖母だということは誰にも言っていない」と明かしたニクリナさんは、「私は控えめな女性だから、みんなに自慢していると思われたくないの」と付け加えた。(c)AFP