【9月12日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルスを18歳で制したエマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)。その素顔は本人いわく、自分を「変わり者」だと感じている内気な人間だという。

 ラドゥカヌは11日の決勝で19歳のレイラ・フェルナンデス(Leylah Fernandez、カナダ)に勝利し、予選勝者としては史上初の四大大会(グランドスラム)優勝を果たした。

 今季のラドゥカヌは、夢にも思わなかったようなシーズンを送っている。7月にはグランドスラム本戦初出場のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)で、ほぼ無名の状態から4回戦に進出すると、全米前にはファッション誌ヴォーグ(Vogue)の英国版で表紙を飾った。そして大会では落ち着いた、年齢に似合わない成熟したプレーを見せ、ファンとメディアをとりこにした。

 ルーマニア出身の父親と、中国出身の母親から貪欲さを学んだラドゥカヌは、小さい頃からゴーカートやバレエ、乗馬といったさまざまな習い事をしていて、自分が少し変わり者だと感じていたという。

 ヴォーグのインタビューでは「もっと小さい頃、カートやモトクロスをやっていた女の子はまわりで私だけだったけど、自分ではすごくクールだと思っていた。あるとき、モトクロスの先生からみんなで腕立て伏せをやろうと言われて、できたのは自分だけだったからすごく誇らしかった」と話している。

 それでも教師たちは、5歳のラドゥカヌを見て、彼女が輝くのはテニスだと気づいた。小学校時代の教師によれば、学校でテニス教室を開いたところ、ほとんどの児童がボールに当てることもできずにいる中で、「エマはコーチとラリーをしていた。本当に信じられなかった。当時から、この子はウィンブルドンに出ると思ったのを覚えている」そうだ。