中秋節近い中国で「月餅販売合戦」がピーク Z世代向け商品が続々
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【9月19日 CNS】名月を楽しみながら家族や友人と過ごす中国の伝統行事・中秋節(旧暦の8月15日)が近づき、毎年恒例の「月餅販売合戦」がピークを迎えている。伝統文化のデザインを取り入れた月餅やヘルシー月餅、タニシビーフン味の月餅など、多くの企業が独自色のある月餅を考案。「砂糖や油をふんだんに使った時代遅れでワンパターンの食べ物」という月餅のイメージを払拭(ふっしょく)し、消費の主力となりつつあるZ世代(1990年代後半以降に生まれた若者)にアピールしている。
3000年前に栄えた長江(揚子江、Yangtze River)上流文明の三星堆遺跡にある四川省(Sichuan)広漢市(Guanghan)の三星堆博物館は、遺跡で発掘された巨大な樹木型の青銅にちなんだ「神樹への祈り」や、長さ約1.4メートルの金の杖(つえ)をモチーフにした「杖の中の月」と名付けた月餅を販売している。博物館景区管理委員会産業発展部の任韌(Ren ren)部長は「クリエーティブな月餅を販売して3年目になりますが、今年の売り上げは昨年の10倍にあたる3万箱を超えると予想しています。若い消費者が伝統文化に愛着を持っている表れです」と説明する。
中国の若者の間では、伝統文化の要素をセンス良くデザインに取り入れた国産品が「国潮ブランド」と呼ばれて人気となっている。月餅でもこうした流れをくんだ商品が次々と登場している。
健康志向で「美」を追求するZ世代の消費者を満たすため、砂糖を減らし油分を含まない月餅や、植物肉を使ったり果物を入れたりした月餅も販売されている。四川省成都市(Chengdu)のスーパーマーケットで月餅のセールスを担当する宋艷(Song yan)さんは「月餅を購入する前に成分リストを確認し、低カロリーで低脂肪の月餅を好むお客さんが年々増えています」と説明する。数年前に無糖の月餅が登場した時は、糖尿病患者専門の商品とみなされていたが、今では有名な月餅ブランドがこぞってパッケージに「低糖」と表示した商品を売り出している。
また、中国でブームとなっているザリガニやタニシビーフン風味の月餅をはじめ、奶皮(ミルクを沸かした時に表面にできる薄い膜)味、スパイシービーフ味、マカロン味といった新しく大胆な発想の月餅がZ世代に支持され、市場の一角を占めるようになっている。インターネットの販売サイトを見れば、漫画のキャラクターやかわいい動物、花、木などのデザインをした月餅であふれかえり、本物の花のような立体的な月餅もある。
大手リサーチ会社・艾瑞諮詢(iResearch)傘下の艾媒研究所によると、中国の月餅売上高は2015年の131億8000万元(約2243億9345万円)から2020年には205億2000万元(約3493億5916万円)に増加しているが、伸び率は鈍化しているという。ただ、近年は伝統行事への国民の関心が徐々に高まっており、新型コロナウイルス感染症がおおむね抑制されていることから、親戚や友人が集まって親睦を深める中秋節本来のあり方が広がり、月餅の需要も回復すると分析。今年の月餅市場は218億1000万元(約3713億2179万円)に達すると推定している。(c)CNS/JCM/AFPBB News