【2月24日 CNS】新型コロナウイルスとの闘いの中で、マスクや使い捨て手袋などは中国の市民にとって「ぜいたく品」となった。買い物や出前品、宅配便の受け取りをするたびに、これらの欠乏物資の消耗に心が痛む毎日だ。これに対応するため、無人配送ロボットが活躍している。

 宅配便の配達員は、今や居住区の中に入ることはできないが、南京市(Nanjing)では、大手物流企業「蘇寧物流(Suning Logistics)」の無人配送ロボット「biu」がその任務を担っている。身長は125センチ、体重35キロ、最大搭載量145リットル、走行可能時間は10時間以上で、位置取り精度50ミリ以内だ。

 消毒が終わった「biu」は、自身で走行プランを決め、障害物を回避しながら走行し、自ら帰還して充電する。配達担当の人が食材を箱に入れ、出荷指示をインプットすると、自身で道を決め、エレベーターに乗り、顧客に到着を知らせ「無接触式の配達」を完璧に実行することができる。

 新型ウイルス感染の発生以来、「隔離」が最も有効的な予防と抑制の手段と考えられている。完璧な「無人化」による宅配サービスが実現できない現在、同社が進める「配達担当者+ロボット」による方法が問題解決の糸口を与えてくれている上、ウイルス感染を有効に阻止し、市民の需要を満たせる。

 また、「シェアリング宅配」の動きも始まっている。大手小売業の「蘇寧易購(Suning.com)」は、その傘下の「蘇寧小店」や団地内店舗などで、食品などの宅配物の暫時預かりサービスを無料で引き受けると発表した。消費者が実店舗まで足を運び「無接触」で商品を受け取ることによって、人同士の接触を減らし、消費者と配達員の安全と健康を守るとしている。

「蘇寧易購」傘下の数千軒の居住区内店舗では、このサービスを実行するため、宅配便暫時預かり場所を設定した。宅配品の保管棚を定期的に消毒するほか、配送と暫時預かりに関わる従業員の健康状態を毎日確認し、マスクの装着と安全距離の保持を義務付けているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News