マカオ、カジノ規制強化検討 関連株が下落
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【9月15日 AFP】中国の特別行政区マカオ(Macau)の政府は15日、ギャンブル業界への直接的な監視を強化する案に対するパブリックコメントの募集を開始した。期間は45日間。これを受け、中国のラスベガス(Las Vegas)と呼ばれるマカオのカジノ関連株は急落した。
香港市場に上場するサンズ・チャイナ(Sands China)とウィン・マカオ(Wynn Macau)の株価は24%以上落ち込んだ。一方、メルコリゾーツ&エンターテインメント(Melco Resorts & Entertainment)、SJMホールディングス(SJM Holdings)、MGMチャイナ(MGM China)、ギャラクシー・エンターテインメント(Galaxy Entertainment)はそれぞれ13~17%下落した。
政府はカジノの運営を監督し、地下銀行を取り締まる目的で、許可業者の取締役会に自らの代表を送り込みたい考えだ。
マカオは中国で唯一ギャンブルが認められているが、政府は近年ギャンブル業界への監視を強めている。
今回規制強化の対象となる可能性があるのは、ライセンスを所有するカジノ企業6社。ライセンスは2022年6月に更新期限を迎える。
マカオ経済はほぼギャンブルの収益のみに依存しており、1週間の収入はラスベガスの1か月分を上回っている。
カジノが歳入の約80%、域内総生産(GDP)の55%以上を占めている。昨年末時点でのカジノ関連の雇用は8万2000人以上で、これはマカオ全体の労働人口の17%以上に相当する。
政府は、ギャンブル産業が生命線となっていることを認めているが、経済が過度に依存しており、それに関連して生活費や事業費が膨れ上がっている現状に懸念を示している。(c)AFP