【11月27日 AFP】「ここに誓います。今日から私は、あしき習慣を正し、他者に優しくなり、ギャンブル依存から脱却します」。兵士のように拳を突き上げ、ホアン・チュンハオ(Huang Chunhao)さんは誓いをたてた。

 中国では1949年に共産党が政権を握って以来、同党指導部が悪行とみなす他の行為とともに、賭博は違法行為だった。しかし最近、海外に拠点を置く賭博サイトやアプリが中国人をターゲットとし、賭博が復活しつつある。

 その一つ、フィリピン発の賭博サイトは、元妻のチャオ・ジン(Zhao Jing)さんがいう「底なし沼」に、ホアンさんを引きずり込んだ。ホアンさんは脅迫的にギャンブルにはまり、200万元(約3200万円)以上負け込んだ。

「いつも負けてばかりで、家族がバラバラになった」という32歳のホアンさんは今、野菜の卸売りをしている。底なし沼からの脱出を助けているのは、似国旗(Si Guoqi)さん。元美容院オーナーで、現在は上海でリハビリセンターを運営する自称ギャンブルのエキスパートだ。

 同センターは2017年、中国初のギャンブル依存症専用リハビリ施設として設立された。センターでの治療は、「胴元が必ず勝つ」ようにできているギャンブルの舞台裏を知る学習と、ライフスタイルを変えて健全な習慣を奨励し、ギャンブルに意識が向かないようにする心理学療法や助言を組み合わせて行われる。

 リハビリセンターのプログラムには、毎月最大50人が参加している。似さんはこの十数年間で1万人以上をサポートしたという。その多くがテクノロジーに詳しい10代だ。