【9月14日 AFP】米国体操連盟(USA Gymnastics)の元チーム医師ラリー・ナサール(Larry Nassar)受刑者(58)による性的虐待事件に関し、連邦捜査局(FBI)の捜査に問題があったとされる件で、元五輪女王のシモーネ・バイルス(Simone Biles)らが、15日に上院司法委員会(Senate Judiciary Committee)で証言することが分かった。

 ナサール受刑者は、スポーツドクターとして同連盟とミシガン州立大学(Michigan State University)で勤務していた際に、女子選手や少女らに性的暴行を加えていたとして、2017年から2018年にかけて行われた裁判で有罪を認め、現在終身刑に服している。

 約265人に上る被害者には、五輪出場経験もある体操選手や大学アスリートも含まれ、ナサール受刑者から20年以上にわたって性的虐待を受けたと訴えていた。

 上院司法委員会が13日に明らかにしたところによると、バイルスの他、元選手のマッケイラ・マロニー(McKayla Maroney)氏、アレクサンドラ・レイズマン(Alexandra Raisman)氏、マギー・ニコールズ(Margaret "Maggie" Nichols)氏が、「ナサール事件をめぐるFBIの職務怠慢」に関して同委員会で証言するという。

 また、FBIのクリストファー・レイ(Christopher Wray)長官と司法省のマイケル・ホロウィッツ(Michael Horowitz)監察総監も、別に証言することになっている。

 FBIの捜査対応を批判する内容として、ホロウィッツ氏が中心となって7月に出した報告書では、ナサール受刑者に対して「極めて悪質な疑惑」があったにもかかわらず、FBIインディアナポリス支局の上級幹部は「(疑惑に)ふさわしい最大限の真剣さと緊急性」をもって対応しなかったと指摘されていた。(c)AFP