【9月16日 People’s Daily】中国江西省(Jiangxi)宣春市(Xuanchun)奉新県(Fengxin)では、美しい水辺の風景が広がる。奉新県赤岸鎮(Chi’an)の共産党委員会書記である易徳明(Yi Deming)氏は、「5年前は5類だった潦川の水質が、今では3類にまで改善しました」と言う。

 河川ブロック長として、易徳明氏は毎日自分の受け持ちの区間をパトロールする。彼が見たところ、生態系保護政策の強制的実施こそ、潦川の水質が改善された主な原因である。「河長制(河川保護に責任者を設ける制度)が実施されてから、河川流域に造られていた養殖場や砂の採掘場、化学工場などは撤退しました」

 江西省の管轄する水系は発達しており、河川は2400本あまりを数える。河川の水質を保つためには、ロングスパンの治水機構を模索する必要がある。2020年末までに、全省で河川流域生態系保護のために調印された補償協議は90回にのぼり、80%以上の自治体で横断的な生態系保護補償機関が設立され、流域の上流から下流まで連動した共同治水局が形成された。

 陳和朋(Chen Hepeng)氏はこの環境変化の証人の1人だ。現在、彼は瑞昌市(Ruichang)のエコ農園で働いている。広々とした園内には色とりどりの作物が実っている。しかし、ここは以前鉱山の土取場だった。「以前のここには何もなく、車が走ると土ぼこりが舞い、雨が降れば水浸しになりました」。陳さんは始め、長江の川砂を採掘しており、セメント工場が来てからは土砂の採掘工として働いた。

 2017年から、陳さんの働くセメント工場は5500万元(約9億4000万円)あまりを投資してエコ農園を造り、スマート鉱山などを建設し、従来型の土砂採掘は大幅に簡素化していった。「当時は思い悩みましたが、失業なんてしませんでした」と、陳さんは笑う。思いがけないことに、彼は失業しなかっただけでなく、2018年からエコ農園の一員となった。

 山には緑が戻ってきた。かつて砂ぼこりが舞っていた鉱山採掘場は、安全かつエコで高効率な管理が実現した。沈殿タンクに廃水を集め、沈殿する砂の浄化と水の循環利用を一体として行うことで、廃水による汚染を防げるようになった。

 江西省が実施しているのは、緑化の推進や、森林や湿地などの回復という一大事業である。

 2016年、江西省は中国で初めて国指定の生態系に配慮した文明パイロット地区のひとつとなった。現在までに、江西省では35項目の改革を行い、自然環境の保護と修復、河川全流域の生態系の補償などを全国に先駆けて行っている。2020年、江西省全域で森林被覆率は63.1%で安定し、空気質が優良基準値を満たす日は94.7%に達し、水質も大幅に改善した。(c)People’s Daily/AFPBB News