【9月22日 AFP】ドイツ・ベルリンの教会で開かれたリサイタルで、ピアニストとフルート奏者がノルウェーの作曲家グリーグ(Edvard Grieg)の曲を演奏している。

 しかし、クラシック音楽の通常の演奏会とは異なり、演奏家も聴衆も皆、革素材の服や小物を身に着けている。

 この夜会を企画したタイロン・ロントガグナー(Tyrone Rontgagner)さんは、チャップス(革製のズボンカバー)からサスペンダー、マスク、ベストまであらゆる革製品を愛するクィア(性的少数者)コミュニティーの人々が100人ほど教会に集まったことを、とても誇りに思っている。

Classic Meets Fetish(クラシックとフェティッシュの出会い)」と名付けられたこのイベントで、ロントガグナーさんは「多くの人は、フェティッシュの世界は性的なものだとばかり考えているが、ここでは単に私たちが身に着ける物を指している」と語った。

 長年、性的少数者のための活動をしているロントガグナーさんは、フェティッシュは「音楽と同じように、自身を表現する一つの方法。音楽は人々を一つにする。私たちの服装も同じだ」と語る。

 ロントガグナーさんは2015年から、一般とは違うさまざまなものを広めるために、この十二使徒福音教会(Twelve Apostles Evangelical Church)を会場にして演奏会を企画している。

 教会のブルクハルト・ボルネマン(Burkhard Bornemann)牧師も、演奏会に賛同している。同性愛者であることを公言しているボルネマン牧師は、薬物常用者や売春婦の支援を行うなど地元で積極的に活動している。

 この日集まった聴衆の多くは、普段から教会に通っているわけではない。(c)AFP/David COURBET