【9月13日 AFP】2020年に世界で殺害された自然保護活動家は過去最多の227人に上り、犠牲者の約4分の3は中南米で確認されたと、国際NGO「グローバル・ウィットネス(Global Witness)」が12日に発表した。1週間に平均4人以上が命を落とした計算になる。

 グローバル・ウィットネスの年次報告書によると、死者数が最も多かったのは2年連続でコロンビア(65人)だった。次いで、メキシコ(30人)、フィリピン(29人)、ブラジル(20人)、ホンジュラス(17人)、コンゴ民主共和国(15人)、グアテマラ(13人)、ニカラグア(12人)、ペルー(6人)、インド(4人)となっている。

 殺人発生率が最も高かったのは、死者数が2019年の5人から12人に増えたニカラグアだった。

 グローバル・ウィットネスは、企業が環境破壊につながる事業を推進する中で、抑圧的な政府が新型コロナウイルスの世界的な流行を「市民社会を取り締まる機会として利用した」と指摘。また、多くの活動家や地域社会が口封じを目的とした殺害予告、監視、性暴力、逮捕などを経験したとしている。

 昨年の犠牲者の71%は森林保護に取り組んでいた人々で、他は河川や沿岸地域、海洋で活動していた人だった。犠牲者の3分の1を、世界人口のわずか5%に相当する先住民が占めた。(c)AFP