【9月13日 AFP】仏パリの凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)を布で包むアートプロジェクトの最終段階が12日、始まり、巨大な布が門上部から下ろされた。プロジェクトは、昨年死去した美術作家クリスト(Christo)氏が生前に手掛けていたものだ。

 シャンゼリゼ通り(Champs-Elysees)にある凱旋門は、今後数日間で約2万5000平方メートルの銀色がかった青いポリプロピレン製の布で包まれる。プロジェクトでは、3000メートルの赤いロープも使われる。材料はすべてリサイクル可能だ。完成は18日を予定している。

 クリスト氏は、ブルガリア出身で長年パリを拠点に活動した。1960年代、門近くにあるアパートの部屋を借りて住んでいた頃から凱旋門を布で包む構想を抱いていた。

 クリスト氏と妻の故ジャンヌ・クロード(Jeanne-Claude)氏の遺志を引き継ぎ、おいのウラジーミル・ヤバシェフ(Vladimir Javacheff)氏がプロジェクトを進めている。「今日の凱旋門が包まれ始める瞬間は、プロジェクト中で最も見ごたえのある段階の一つ。クリスト氏とクロード氏が生前抱いていた夢の実現に近づく瞬間だ」

 凱旋門は来月3日まで包まれたままとなる。(c)AFP/ Eric RANDOLPH