【9月12日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルスを18歳で制したエマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)に対して、英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)を中心に、祝福の声が広がっている。

 ラドゥカヌは11日の決勝で19歳のレイラ・フェルナンデス(Leylah Fernandez、カナダ)に勝利し、予選勝者としては史上初の四大大会(グランドスラム)優勝を果たした。英国人女子のグランドスラム優勝も、1977年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制したバージニア・ウェード(Virginia Wade)氏以来44年ぶりとなった。

 エリザベス女王は「あなたの成功をたたえたい」と祝福し、「この若さで驚くべき偉業だ。懸命に努力し、打ち込んできたことの証し」と話した。

 11日はサッカーのイングランド・プレミアリーグで、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が2ゴールを決める鮮烈な復帰戦を飾ったが、12日の英国の朝刊各紙で1面を飾ったのはラドゥカヌだった。

 ラドゥカヌがサービスエースで優勝を決めると、SNSにも祝福のメッセージがあふれた。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相はツイッター(Twitter)で「センセーショナルな試合だ。エマ・ラドゥカヌを大いに祝福したい。飛び抜けたスキルと落ち着き、ガッツを見せた。われわれは君を非常に誇りに思う」とつぶやいた。

 英国男子の元ナンバーワン選手で、現地で観戦したティム・ヘンマン(Tim Henman)氏は、「彼女なら今後もっと勝てる。それくらい優れた選手だ。これは一発屋的な成功ではない。彼女はトップ5のテニスをしている」とコメントした。

 女子のレジェンドであるマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏は「スターが誕生した。エマ・ラドゥカヌは歴史をつくった。しかもキャリアはまだ始まったばかり。予選に出場することはもうないでしょう」と話した。

 母親の母国である中国では、IT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)が中国を訪れた際の幼いラドゥカヌの写真を添えた記事を伝え、「中国にルーツを持つ選手が全米オープンを制した」と祝福し、「中国人の母親からモチベーションをもらったという」と報じた。(c)AFP