【9月11日 AFP】(更新)全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)は10日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は4-6、6-2、6-4、4-6、6-2で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)を下して決勝に駒を進め、男子では52年ぶりの年間グランドスラム達成が目前となった。

 東京五輪金メダリストのズベレフを退け、1969年のロッド・レーバー(Rod Laver)氏以来となる偉業達成にあと1勝と迫ったジョコビッチは、「次の試合はキャリア最後のつもりで挑む」とし、「あと1試合を残すのみ。すべてが詰まっている。やってやろう」と意気込むと、「自分の心と魂、そして身体と精神をこの一戦に注ぐつもりだ」とコメントした。

 自身4回目の全米オープン制覇を目指しているジョコビッチは、けがで今大会を欠場しているラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を上回り、男子では歴代単独1位となる通算21回目のグランドスラム制覇も見据えている。

「この瞬間のために生きている」と強調し、「夢に描いてきたこれらの貴重な機会が、自分たちのモチベーションになる」と話したジョコビッチは、「ゴールデンスラム」達成に向けて金メダルを目指していた東京五輪の準決勝で24歳のズベレフに敗れたが、この日は83歳のレーバー氏がスタンドから見守る中で、そのリベンジを果たした。

 試合後には「コートに入るときから、激闘になることは分かっていた」と話し、「アレクサンダーは偉大なチャンピオンだ。彼にはコートの内外で敬意を抱いている」とたたえた。

 34歳での全米オープン決勝進出は、2005年にアンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏(当時35歳)が成し遂げた後では最年長記録となっており、1970年のケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏(当時35歳)に次ぐ年長記録での優勝の可能性も残している。

 この日の勝利で、フェデラーと並び男子歴代1位となる通算31回目のグランドスラム決勝進出を果たしたジョコビッチは、メジャー大会のファイナルでは、これまで20勝10敗をマーク。グランドスラムのマッチ連勝記録も27に伸ばし、2015年から2016年にかけてメジャー4連勝を達成したときの自己最長記録にあと三つと迫った。

 アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われる12日の決勝で、ジョコビッチは2019年大会の準優勝者で第2シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)と対戦する。

 両者は今年2月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2021)決勝でも激突しており、このときはジョコビッチがストレート勝ちを収めている。

 ジョコビッチ戦では通算3勝5敗で負け越しているメドベージェフは、準決勝で第12シードのフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)を6-4、7-5、6-2で退けた。(c)AFP/Jim SLATER