【9月12日 AFP】(更新)全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)は11日、女子シングルス決勝が行われ、18歳のエマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)が6-4、6-3で19歳のレイラ・フェルナンデス(Leylah Fernandez、カナダ)を下し、予選勝者として史上初の四大大会(グランドスラム)優勝を果たした。

 英国人女子のグランドスラム優勝は、1977年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制したバージニア・ウェード(Virginia Wade)氏以来44年ぶりで、全米制覇も1968年大会のウェード氏以来となった。

 優勝賞金250万ドル(約2億7500万円)を獲得したラドゥカヌは、「全力の努力が必要になるのは分かっていた」と話し、「非常にレベルが高く、信じられないほど難しい試合だった。自分の最高のテニスをしなくてはいけなかった」と続けた。

 英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)もラドゥカヌの快挙を祝福し、「この若さで驚くべき偉業だ。懸命に努力し、打ち込んできたことの証し」とコメントを寄せた。

 ラドゥカヌは現在世界150位、フェルナンデスは同73位で、今回はグランドスラム史上初となるノーシード同士の決勝となったが、満員の2万3700人が詰めかけた会場のアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)は熱狂的な雰囲気に包まれた。

 グランドスラム決勝が10代対決になるのも、当時17歳のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が18歳のマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)氏(スイス)に勝利した1999年の全米以来で、ラドゥカヌはその時のセレーナに次ぐ年少記録での栄冠となった。また、失セット0での全米制覇は2014年のセレーナ以来となった。

 一方のフェルナンデスは、連覇を狙った大坂なおみ(Naomi Osaka)や世界2位のアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)、同5位のエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)、グランドスラム通算3勝のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)を破って決勝に勝ち上がる快進撃を見せていたが、優勝はならなかった。

 それでも「この2週間の自分のプレーを本当に誇りに思う」と述べ、「またここで決勝に戻ってきて、次こそ真のトロフィーを掲げたい」とコメント。敗戦後は涙を流したが、2001年の米同時多発攻撃からこの日で20年の節目を迎えたことを踏まえ、「この20年のニューヨークがそうであったように、自分ももっと強くなって、逆境をはね返せるようになりたい」と付け加えた。(c)AFP/Jim SLATER