【9月7日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は6日、2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)南米予選のブラジル対アルゼンチン戦が、開始直後の混乱で中断・延期となったことに「遺憾」の意を表すとともに、「しかるべき時期」に処分を下す可能性があることを明らかにした。

 ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)で5日に行われた南米の雄同士の一戦は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のプロトコル違反があったとしてブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の職員がキックオフから7分後にピッチに乱入し、両チームのスタッフと選手が入り乱れる異様な光景が広がる中で中断した。

 異例の介入が起きる数時間前、ANVISAは英国でプレーするアルゼンチンの4選手が新型コロナウイルスのプロトコルに違反したとして「即時隔離」措置が必要だと発表した。

 ANVISAによると、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属するジオヴァニ・ロ・チェルソ(Giovani Lo Celso)とクリスティアン・ロメロ(Cristian Romero)、アストン・ビラ(Aston Villa)のエミリアーノ・マルティネス(Emiliano Martinez)とエミリアーノ・ブエンディア(Emiliano Buendia)が入国時に「虚偽の情報」を提出したという。

 この中でロメロ、ロ・チェルソ、マルティネスが先発に名を連ねていたため、ANVISAのシャツを着た職員がピッチに乱入する事態となった。ピッチが混沌(こんとん)状態に陥る中で、アルゼンチンの選手たちがピッチから退いた一方、ブラジル代表は紅白戦を行った。

 試合が中止された後、リオネル・メッシ(Lionel Messi)はアルゼンチンのテレビ局TyCスポーツ(TyC Sports)に対して、「入国してから3日も過ぎているのに、どうして今になってこんなことをするんだ?」とブラジル当局の介入を批判した。

 アルゼンチン代表を率いるリオネル・スカローニ(Lionel Scaloni)監督も、「彼ら(問題の4選手)が試合に出られないことは、われわれには全く伝えられていなかった」と報道陣に語った。(c)AFP