【9月7日 AFP】英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス(HMS Queen Elizabeth)」が、4日から日本に寄港している。インド太平洋地域の海洋で存在感を強める中国に対し、日米とその同盟諸国からの圧力を強化する作戦の一環だ。

 クイーン・エリザベスが率いる英空母打撃群はここ数週間、日本の周辺諸国で寄港し、同盟諸国の艦船と共に訓練を行ってきた。

 6日には岸信夫(Nobuo Kishi)防衛相が、寄港先である神奈川県の米軍横須賀基地を訪問。空母視察を終えた後、記者団に対し、同空母による日本寄港と共同訓練は日英の意図を明示するものであり、日英の防衛協力は両国の安全保障だけでなく、インド太平洋と国際社会の平和と安定に寄与すると表明した。

 在日英国大使館は声明で、今回の派遣は「英国と日本の緊密で永続的なパートナーシップと、インド太平洋地域における海洋安保への英国のコミットメントを強力に示す」ものだとしている。

 6万5000トンのクイーン・エリザベスは、英国で建造された中では最大の水上艦で、英国の艦船6隻と潜水艦1隻、さらに米駆逐艦1隻とオランダのフリゲート艦1隻から成る打撃群を率いている。

 この空母打撃群は「英国を出発する海・空の軍事力の集結としては今世代で最大」とうたわれている。中国の共産党機関紙・人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)は7月の論説で、中国政府が同空母打撃群に対抗措置を講じる必要性を感じる可能性があると警告していた。(c)AFP