【9月4日 AFP】フィンランドの裁判所は3日、同級生だった16歳の少年を拷問し、殴り殺したとして、10代の少年3人に禁錮8~10年を言い渡した。事件はフィンランドを震撼(しんかん)させていた。

 昨年12月、当時16歳だった少年らは数週間にわたって被害者をいじめ、死に至らしめた。被告らは全員、殺意を否認していたが、殺人と判断された。

 裁判所によると、被告らは昨年12月4日、首都ヘルシンキ北部で3時間以上にわたって「極めて残忍な」方法で、被害者を暴行した。

 裁判所は、被告らが一体となって行動し、保育園の頃から知っていた被害者を強い酒で酔わせて暴行することを計画したと結論付けた。

 被告らは、被害者が死亡するまで数週間にわたって暴行を続けていた。暴行はヘルシンキ近郊3か所で行われた。最後に連れて行った場所では、頭に殴る蹴るの暴行を加え、鈍器も使用。屈辱的な目にも遭わせた。

 被害者は暴行を受けた後、裸に近い状態で極寒の中、数時間放置され、肋骨(ろっこつ)の骨折や出血を伴う脳の損傷などが原因で死亡した。体には100か所以上の傷があった。

 検察官は2月の審理で、「これは遊びではなく、暴力に他ならない」と述べた。

 裁判所が選任した心理学者は8月、被告らは被害者を暴行した際、自分たちの行動がもたらす結果を認識していたと判断した。

 裁判所は被告らに対し、被害者の両親それぞれに慰謝料として1万2000ユーロ(約157万円)を支払うよう命じた。

 判決はまだ確定しておらず、被告らは上訴することができる。(c)AFP