【9月3日 AFP】ベトナムの首都ハノイでは、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、竹ざおやビールの空き箱、はしご、壊れた椅子といった身近な物で即席のバリケードが作られている。

 ハノイではロックダウン(都市封鎖)が1か月以上続いているが、1日当たりの新規感染者数には変化が見られない。移動制限は強化され、細かく分けられた区域間の往来は非常に難しくなっている。

「刑務所に住んでいるみたいだ」と、ホー・ティ・アイン(Ho Thi Anh)さん(72)は話す。

 アインさんの住む区域で感染が確認されて以来、自宅に続く路地がすべて封鎖され、誰も出入りができなくなった。家族が3日に一度、食料を持ってきて、周辺を取り囲む鉄製バリケードの下に置いていってくれる。

 ハノイの1日の感染者数は50~100人と比較的落ち着いている。だが、経済の中心地、南部のホーチミン(Ho Chi Minh)の1日の新規感染者数は数千人、死者は数百人と深刻化しており、ハノイでも感染が拡大するのではないかとの不安が広がっている

 ベトナム全体ではこれまで、1万1000人以上が死亡している。(c)AFP