【9月3日 AFP】米カリフォルニア州議会で、デパートにジェンダーニュートラル(性的に中立)な玩具売り場の設置を義務付ける法案が審議されている。

 法案は、従業員数500人以上のデパートにのみ適用される。女児向け売り場と男児向け売り場を分けることを禁止するものではないが、人形もおもちゃの兵隊も特定の性別向けの表示なしに一緒に陳列される売り場の設置が義務付けられる。

 法案を起草したエバン・ロー(Evan Low)議員によると、おしゃぶりや授乳用品も対象となる。

 ロー氏はAFPに対し、「時代遅れなジェンダーに関する固定観念に基づいて子どもに好みを押し付けることで、レッテルを貼ったり、型にはめたりするのをやめなければならない」と語った。

 ロー氏によると、法案を起草するきっかけは、自身の事務所で働く女性の娘、ブリテンちゃんの発言だった。ブリテンちゃんは買い物中、「どうしてお店の中には男の子なら良くて、女の子には『ダメ』なものがあるの?」と母親に尋ねたという。

 支持派は、たとえ同一の商品であっても、女児向けは男児向けよりも値段が高いケースがしばしばあり、不当な価格差の解消にもつながると主張している。

 反対派は、州政府に売り場の陳列方法に口を出す権利はなく、何を選んでいいか分からない保護者にとっては、明確な性別表示があった方が選びやすいとしている。

 法案は州議会下院の最終読会を通過する見通しで、その後ギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事に送られる。成立すれば2024年1月から施行され、違反した事業者は250~500ドル(約2万7500~5万5000円)の罰金が科される。(c)AFP