アフガンのテコンドー女子選手、夢の舞台に登場 東京パラ
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【9月3日 AFP】東京パラリンピックは2日、テコンドー女子49キロ級(上肢障害K44)の1回戦などが行われ、イスラム主義組織タリバン(Taliban)が制圧したアフガニスタンの首都カブールから無事に脱出したザキア・クダダディ(Zakia Khudadadi)が競技に臨んだ。
母国から逃れたアフガニスタン選手2人のうちの1人であるクダダディは、今大会から初めてパラリンピックの正式競技となったテコンドーで、豪ハードロックバンドAC/DCの楽曲「サンダーストラック (Thunderstruck)」をBGMにカーテンの向こうから入場した。
試合前には平然とした表情を見せていた中で、クダダディはウズベキスタンのジョダホン・イサコワ(Ziyodakhon Isakova)との1回戦に敗れた後、同日の夜に行われた敗者復活戦に再び登場し、世界テコンドー選手権(World Taekwondo Championships)で通算5度の優勝を誇るウクライナのビクトリア・マルチュク(Viktoriia Marchuk)を苦しめたが、34-48で敗れた。
マルチュクは「もちろん、私もアフガニスタンの現状について心配しているし注視している。対戦相手(クダダディ)がどうにか到着し、私との試合に臨めたことをとても喜んでいる」と語った。
一方、国際パラリンピック委員会(IPC)は先日、アフガニスタンのパラリンピアン2人について、心身の健康を優先してどちらも記者会見などを行う予定はないと明らかにしていた。
IPCのスポークスマンを務めるクレイグ・スペンス(Craig Spence)氏はこの日、「とにかく競技に集中できるように、この数日間は彼らをそっとしていた」とし、「これから閉会式に関してどうするか、そして今後はどこへ行くのか話し合いを開始する」と述べた。(c)AFP