【8月29日 AFP】国際パラリンピック委員会(IPC)は28日、アフガニスタン選手団の2人が来日し、東京パラリンピックに出場すると発表した。

 ザキア・クダダディ(Zakia Khudadadi)とホサイン・ラスリ(Hossain Rasouli)は、「地球規模の大作戦」によって、イスラム主義組織タリバン(Taliban)が権力を掌握したアフガニスタンから先週末にフランスに避難していたとIPCは明かした。

 IPCのアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長は、「ザキアとホサインは、来日して東京2020パラリンピックに出場するという確たる意思を一貫して示してきた」と話し、両選手が「夢をかなえるために東京にいて、世界中の人たちに希望という力強いメッセージを発信している」と続けた。

 IPCによると、両選手は仏パリにあるスポーツ省のトレーニングセンターに1週間滞在し、28日夜に選手村入りしたという。 クダダディは9月2日に行われるテコンドー女子49キロ級に、ラスリは同3日に行われる陸上男子400メートル(上肢障害T47)に出場する。

 今月中旬にアフガニスタンの政権がタリバンの手に落ちると、両選手を含む数万人の身動きが取れなくなり、国外に出られない状況となったため、IPCは2人の出場断念を発表したが、一転して出場することとなった。

 24日の開会式では、大会ボランティアがアフガニスタン国旗を掲げて入場していた。

 IPCは25日、クダダディとラスリは無事にアフガニスタンを離れたと発表したが、両選手の望ましい状況が保証できないため、パラリンピックには出場しないとしていた。(c)AFP