【9月2日 AFP】陸上女子中距離のシェルビー・フーリハン(Shelby Houlihan、米国)がドーピング違反によって4年間の資格停止処分を受けた件で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は1日、同選手の異議申し立てを退けた。

 女子1500メートルと5000メートルの米国記録保持者である28歳のフーリハンは、昨年12月のドーピング検査で禁止されているステロイドに陽性反応を示し、ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)の独立不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」から4年間の資格停止処分を受けた。

 東京五輪を欠場することになったフーリハンは、汚染肉を含んだブリトーを食べたことが原因だと主張し、CASに異議を申し立てていたが、6月に処分を支持する判断が下されていた。

 この日CASが公開した裁定の全文によれば、フーリハンは去勢されていない雄豚の肉を食べたことが陽性反応につながったと主張し、フードトラック(キッチンカー)ではビーフを注文したものの、誤ってポークが提供されたと話していたことが分かった。

 だが、CASのパネルは「全く受け入れられない」主張だと判断。「現実的かつ科学的にありえないことが次々に起こることを前提としている弁明だ。それらが重なる確率は(限りなく)ゼロに近い」と記した。

 フーリハンの資格停止処分は2025年1月14日までとなっているため、地元で行われる来年の第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)や2024年のパリ五輪にも出場することができない。(c)AFP