【9月1日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の試合中に相手のリズムを乱すような長いトイレ休憩を取り、対戦したアンディ・マレー(Andy Murray、英国)から批判されたステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)について、過去に対戦相手として同じ経験をしたアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)も31日、厳しい見解を示した。

 前日に行われた男子シングルス1回戦でチチパスに敗れたマレーは、チチパスのトイレ休憩は長すぎだと不満をあらわにし、「自分がトイレに行くのにあんなにかかったことはない」と話した。

 同日には、ポイント間に時間をかけすぎだとして警告されたニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)からも、「トイレットブレークに20分」もかける選手がいるのに、自分がタイムバイオレーションを受けるのは理不尽だとする声が上がった。

 当のチチパスは自身のトイレットブレークを正当化し、男子プロテニス協会(ATP)が定める規則に従っていると主張しているが、この日初戦突破を果たしたズベレフは試合後、ルール上は問題ないとの認識を示しつつ、チチパスのは極端に長いケースだと述べた。

 前哨戦のウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2021)準決勝で対戦した際、チチパスがトイレットブレーク中に不正にコーチングを受けていると訴えていたズベレフは、「毎試合起きている。普通じゃない。自分とシンシナティ(ウェスタン&サザンオープン)で対戦したときのもばかげていたし、ここでもまたやっている」とコメント。「認められてはいるが、(長すぎるのはだめという)選手間の暗黙の了解がある」と続けた。

「彼は世界トップクラスの選手だ。あれをやる必要があるとは思えない。(中略)ジュニアの大会でも起こることだが、世界3位の選手がやることじゃない」

 さらにズベレフは、自身がウェスタン&サザンオープンで対戦したときのことに再び触れ、「彼が10分以上コートを離れている間、彼の父親は携帯電話でメールをしていた。戻ってきたらいきなり、作戦ががらっと変わった」と明かし、「魔法の場所にでも行っているのか、何らかのコミュニケーションがあるかのどちらかだろう」と続けた。

 マレーはチチパスに対する「敬意を失った」と話していたが、これにはズベレフも同意し、「アンディも言っていたように、選手の間には一定のリスペクトがなくてはいけないと思う」との考えを示した。「本当にトイレに行っているだけなのかもしれないが、それにしても頻繁に起きすぎだ」  (c)AFP/Jim SLATER