【9月1日 CNS】農産業の構造調整、農村労働力の移転、大規模な土地経営に伴い、中国の農機市場は大型・ハイエンド・インテリジェント化時代を迎えている。しかし、国内の農機メーカーの規模は大きいが強くはない。大型ハイエンド農機製品の供給不足のため、ハイエンド市場は輸入品に独占されていることが懸念されてきた。現在、250馬力以上の大型農機のうち、輸入品が90%以上を占めている。国内の農機業界は科学研究の攻略に力を入れ、時間をかけ、コアテクノロジーをしっかりと手中に収めてこそ、足かせ状態を脱し、中国産農機の競争力を高めることができる。

 吉林省(Jilin)公主嶺市(Gongzhuling)土城子村(Tuchengzicun)志和農機サービス専門合作社(協同組合)農機庫には、トラクター、刈り取り機、不耕起播種機、植物保護機、深耕耕うん機などの大きな農機具や小さな農機具が整列して置かれている。合作社の劉志和(Liu Zhihe)理事長は記者に次のように語った。2015年に彼は深セン市(Shenzhen)から村に戻り合作社を設立し、240万元(約4079万4240円)余りで13台の大型農機と45台の付属農機具を購入した。毎年1000ムー(約66万7000平方メートル)以上の土地を転々とし、2500ムー(約166万7000平方メートル)以上の土地を委託管理し、全コースの機械化耕作を展開している。大型農機は作業効率が高く、栽培コストを下げ、食糧生産の効率を高めることが可能となる。

 中国農機流通協会のデータによると、上半期の各サイズのトラクターの全国累計販売台数は21万1300台で、前年同期比4.71ポイント増となった。中型トラクターは中型・大型トラクター市場での占める割合は75.96%に達したが、前年同期比では小幅な減少となった。これは中型・大型トラクターの構造的調整が加速化し、大型化の勢いが強まったことを意味する。

 東北主産地は「中国の大穀倉」であり、国内外の大型ハイエンド農機の競技場でもある。東北のハイエンド農機市場は長い間、大型のハイエンド輸入品によって独占されてきた。ここ数年、市場需要のけん引と農機購入補助金政策のもとで、中国産大型農機具は研究・開発・制造技術、品質、外観デザインなどの面で優れた成績を収め、大型ハイエンド農機市場の一角を占め、輸入品がハイエンド農機市場を長期的に独占してきた状況を変えた。

 中国産の大型農機は輸入品に比べ価格の優位性が高く、中国産綿摘み機1台の価格は輸入品の半分ほど安い。しかし、中国産の大型農機は設計、材料、部品、プロセスの面では海外ブランドと明確な差があり、グローバル・バリューチェーンにおいては、いまだミドルレンジ・ローエンド層にあるにすぎない。

 中国産の大型トラクターは故障率が高く、作業効率が低いため、ユーザーから広く非難されている。大型の青刈り飼料収穫機はインテリジェント化の程度や作業効率が低く、作業過程が知能制御できないため、大規模な牧畜場に入りにくい。ベーラーは結び器の支障のため、多くの企業が海外ブランドと競争できない。

 農業用ディーゼルエンジン高圧コモンレール噴射技術、動力シフトチェンジと無段変速技術、農機装備液圧システム技術などの大型農機のキーテクノロジー、コア部品およびハイエンド農機は主に輸入に依存しており、中国の農産業の安全は脅威にさらされている。このようなコアテクノロジーをしっかりと手中に収めてこそ、足かせ状態から脱することができ、国の食糧安全保障の確保と農業現代化建設の推進も可能となる。

 現代農装科技股份有限公司の王玉栄(Wang Yurong)社長は、中国産の大型農機が輸入品のレベルに達するには、多角的な努力が必要だとの見解を示した。

 中長期的に見ると、中国の農機業界は良好な発展のチャンスを迎えている。今後3年から5年にかけ、強力な内需市場の支えにより、中国の農機製造業は完備した産業チェーンによってグローバル供給システムにおける優位性を強化し、グローバルな競争力を高め、「メイド・イン・チャイナ」を駆動させ「中国スマート製造」へと導く。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News