【8月31日 AFP】東京パラリンピックは31日、陸上男子走り幅跳び(上肢障害T47)決勝が行われ、アフガニスタンのホサイン・ラスリ(Hossain Rasouli)が出場を果たした。

 本来は男子100メートルに出場する予定だったラスリだが、母国におけるイスラム主義組織タリバン(Taliban)の政権奪取で状況が一変。首都カブールが制圧され、同胞のザキア・クダダディ(Zakia Khudadadi)と共に身動きが取れなくなっていた。

 だが、その後アフガニスタンから退避すると、前週末には大掛かりな作戦の末に東京に到着。逆境をはねのけ、一時はついえたかにみえたパラリンピック出場の夢をかなえた。

 走り幅跳びは専門ではなく、同種目で主要大会に出るのも今回が初めてだったラスリは最下位に終わったが、国際パラリンピック委員会(IPC)のスポークスマンを務めるクレイグ・スペンス(Craig Spence)氏によれば、「競技に臨むことにとてもわくわくした」様子だったという。

 IPCによれば、ラスリとクダダディは大会期間中、競技に集中するために取材は受けないことになっている。

 一方のクダダディは、9月2日に行われるテコンドー女子49キロ級に出場する。

 その他では、自転車ロードレース女子個人タイムトライアル(運動機能障害C5)で、英国のサラ・ストーリー(Sarah Storey)が自身16個目のパラリンピック金メダルを獲得し、同国勢ではマイク・ケニー(Mike Kenny)氏の持つ最多記録に並んだ。

 現在43歳のストーリーは、来月2日のロードレースでケニー氏の記録を上回る可能性がある。(c)AFP/Sara HUSSEIN