字幕:「みんな殺された」残された家族が語る米無人機攻撃 アフガン
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【8月31日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで暮らすエズマライ・アフマディ(Ezmarai Ahmadi)さんは29日夕方、仕事を終えて帰宅し、いつものように息子や娘、おいやめいの歓声で迎えられた。
エズマライさんはカブール北西部の人口集中地区、クワジャブルガ(Kwaja Burga)にある平凡な家の車寄せに白いセダンを止め、長男にキーを預けて駐車を任せた。
子どもたちはこの日常の一こまを冒険ごっこにして、一斉に車に乗り込んだ。エズマライさんはその様子を横で眺めていた。
すると突然、空から甲高い音とともにミサイルが落ちてきて、車に激突した。一瞬にして10人の命が奪われた。
米国は29日、爆発物を積んだ車両を空爆し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によるカブールの空港への自動車爆弾攻撃を阻止したと発表した。しかし翌日になって、とんでもない過ちを犯してしまったかもしれないことが分かった。
エズマライさんの弟、アイマル(Aimal Ahmadi)さんは、「ミサイルが飛んで来て、うちの子どもたちが乗った車に当たった」と語った。「みんな殺された」
アイマルさんの娘1人と他の子ども5人を含む家族10人が、この空爆で亡くなったという。
AFPが30日に現場を訪れると、大勢の家族を亡くしたアイマルさんは、葬儀の手伝いに来る親族を待っていた。
「兄とその子ども4人が殺された。私は幼い娘と…おいとめいを失った」とアイマルさんはやるせなさそうに語った。
■絶望
米中央軍(CENTCOM)のビル・アーバン(Bill Urban)報道官は、カブールでの車両空爆で民間人が犠牲になったとの報道があることは把握していると述べた。
しかし、兄がISの同調者と間違われたのかもしれないこと、しかも自動車爆弾攻撃を計画していた工作員と間違われたかもしれないことをなかなか受け入れられないアイマルさんに、この言葉はむなしく響いた。
エズマライさんは非政府組織(NGO)で働くエンジニアで、動乱の時代に何とか生活をやりくりしようとしていたごく普通のアフガニスタン人だった。
爆発音を聞きつけ、何か手伝えることはないかと駆け付けた近隣住民の一人、サビルさんは、「子どもたちは全員が車の中で、大人たちは車のすぐそばで殺された。車は燃えていて…ばらばらになった遺体を探すのも困難だった」と語った。
アーバン米中央軍報道官は、「車両を破壊した結果、大規模かつ強力な爆発が起きたことも認識している。車両に大量の爆発物が積まれていたとみられ、それにより犠牲者が増えた恐れがある」と説明。現在、調査を進めているとし、「罪のない命が失われたのであれば、極めて遺憾に思う」と語った。
しかし、近隣住民のラシッド・ヌーリ(Rashid Noori)さんにこの言葉はむなしく響くだけだった。
ヌーリさんは、「私たちはタリバンに殺され、ISに殺され、米国人に殺される」と述べた。「彼らは皆、私たちの子どもがテロリストだと思っているのか?」
映像は30日撮影。(c)AFP/Emal HAIDARY