【8月31日 AFP】男子テニスで通算3度の四大大会(グランドスラム)優勝を誇るアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、30日に行われた全米オープン(US Open Tennis Championships 2021)の男子シングルス1回戦で、対戦相手のステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)が試合の結果に影響を及ぼすような「ナンセンス」な遅延行為をしたと批判した。

 今大会第3シードのチチパスは、34歳のマレーとの4時間49分に及ぶ激戦の末に2-6、7-6(9-7)、3-6、6-3、6-4で競り勝った。しかし、この試合でチチパスのメディカルタイムアウトやトイレ休憩などでリズムを崩されたマレーは、試合後の握手の際に素っ気ない態度を見せた。

 マレーは試合後の会見で「彼は競技にとって素晴らしい存在だと思う」としながらも、「だけど、あのような行動は全く受け入れられないし、彼への敬意を失った」とコメントした。

 これに対してチチパスは、「何か言いたいことがあるなら、問題を理解するために二人だけで話し合うべきだ」と反論し、「何かルール違反をしたとは思わないし、自分はガイドラインに従ってプレーしていた」と主張した。

 チチパスは第4セットの劣勢の場面でラケットを交換して時間を使ったほか、同セット終了後には異例の長いトイレ休憩を取り、直後の最終セット第1ゲームでいきなりマレーのサービスをブレークした。

 こうした長い遅延行為でアドレナリンが低下したというマレーは、「あのような場面で起きるのは偶然のはずがない」とし、「彼が何か問題を抱えていたなんて信じられない。問題なさそうだったし、素晴らしい動きをしていると思った」とコメント。

「あれが試合の結果に影響を及ぼしたと感じているので、とにかく残念だ」と続け、「もちろん、自分が必ず勝てたと言っているわけではないが、あのいくつかの休憩の後に起きたことが、試合に影響していた」と訴えた。

 マレーはまた、ATP選手評議会(ATP Player Council)が「ルールを悪用しにくくする」目的で規則変更を議論していることに言及しつつ、チチパスの遅延行為は度を越していたと主張。「あれはナンセンスだ」と批判し、「それに、彼も自覚しているはずだ」と指摘した。

「あれはナンセンスだし、規則を変更する必要がある。なぜなら、この競技をはじめ、テレビやファンにとっても良くないからだ。選手たちにとっても、みっともないことだと思う」

 先日のウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2021)の準決勝では、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)がチチパスのトイレ休憩が長いと抗議していた。(c)AFP