【8月30日 AFP】アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバン(Taliban)の教育担当責任者は29日、女性が大学で学ぶことは許されるが、男女が同じ教室で授業を受けることは禁止するとの方針を明らかにした。

 欧米が支援するアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)政権を崩壊させて今月中旬に権力を掌握したタリバンは、女子教育を禁じた1990年代のタリバンの統治との違いを強調し、厳格なイスラム法の解釈に基づきつつ女性の権利の発展を尊重すると約束している。

 タリバンで高等教育相代行を務めるアブドゥル・バキ・ハッカニ(Abdul Baqi Haqqani)氏は29日、首都カブールで開いた各地の首長や長老らによる「ロヤ・ジルガ(loya jirga、国民大会議)」で、「アフガニスタンの人々は、シャリア(イスラム法)に照らして安全に、男女が同席しない環境で高等教育を受け続けることになる」と述べた。

 ハッカニ氏はさらに、タリバンが望むのは「われわれのイスラム的、国家的、歴史的な価値観に沿った合理的なイスラム的カリキュラムを作成しつつ、他国と競争できるようになること」だと説明した。

 小中等教育でも男女共学は禁じられるが、これは極めて保守的なアフガニスタンでは現在も一般的に行われている。

 今回のロヤ・ジルガには、タリバン幹部を含めて女性の参加者は一人もいなかった。

 ガニ政権下で市立大学の講師を務めていた女性は、「タリバンの高等教育省は大学の機能を再開するに当たり、男性の教員や学生の意見しか求めなかった」と批判。これは「意思決定への女性の参加に対する組織的な妨害」であり、「タリバンの公約と行動のずれ」を示していると指摘した。

 アフガニスタンでは、この20年間で大学進学率が上がり、特に女性の進学が増加。女子学生は、これまでは男子学生と並んで授業を受け、男性教授のゼミを受講することもできた。(c)AFP