【8月30日 AFP】大雨のため、わずか2周で決着がついた21F1第12戦ベルギーGP(Belgium Grand Prix 2021)について、年間トップに立つメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が「カネがものを言った」と話し、レースは「茶番」だったと怒りを見せた。

 雨によって3時間半遅れで始まった29日の決勝は、セーフティーカーに先導されて水しぶきの中で2周走ったものの、危険なコンディションと判断されて史上最短のわずか14キロで終了。ポールポジションからのスタートとなったレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が優勝した。

 フェルスタッペンとウィリアムズ(Williams)のジョージ・ラッセル(George Russell)に次ぐ3位となったハミルトンは「カネがものを言った。レースは2周しかやらなかった。すべてはカネのためのシナリオだ」と話した。

「全員にカネが戻ってくるというなら、きょうのファンにも払い戻しをするべきだ。残念ながら彼らは、代金を支払って見に来たはずのものを見られなかった」

「自分も雨のレースは大好きだが、きょうは別だ。前を走るマシンが見えなかった。コースに水も浮いていて、残念ながら悲惨としか言いようがない状況だった。5メートル先もよく見えず、前のマシンもいなくなったかのようだった」

 獲得ポイントが半分になったため、フェルスタッペンと3ポイント差の年間首位を守ったハミルトンだが、しばらくたってからも批判は続き、自身のインスタグラム(Instagram)に「きょうは茶番だった」と書き込んだ。

「唯一の敗者はファンだ。僕らはたった一つの理由でコースに送り出された。レースは単純に中止すべきだった。ドライバーを危険にさらすべきじゃなかったし、何よりこのスポーツの中心であるファンに払い戻しをする必要があった」

 国際自動車連盟(FIA)とF1は「会場を訪れた、あるいは自宅で観戦したファンに完全なレースを見せられなかったことは残念だが、ドライバーとマーシャル、観客の安全を常に優先しなければならない」と話している。(c)AFP