【8月29日 AFP】東京パラリンピック出場のために来日したアフガニスタン選手団の2人が、選手村に到着したことについて、国際パラリンピック委員会(IPC)のスポークスマンを務めるクレイグ・スペンス(Craig Spence)氏が、「非常に感動的」だったと話した。

 ザキア・クダダディ(Zakia Khudadadi)とホサイン・ラスリ(Hossain Rasouli)の二人は、退避先のフランス・パリから極秘裏に東京へ飛び、28日夜に選手村へ入村。IPCのアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長やIPC選手会のチェルシー・ゴテル(Chelsey Gotell)会長、アフガニスタン選手団のアリアン・サディキ(Arian Sadiqi)団長らに迎えられた。

 スペンス氏は、「想像がつくと思うが、顔合わせは非常に感動的だった」と話し、「部屋の全員が大いに涙を流していた。本当に素晴らしい顔合わせだった」と話した。

 二人は「地球規模の大作戦」によって、イスラム主義組織タリバン(Taliban)が権力を掌握したアフガニスタンのカブールから退避し、仏スポーツ省のトレーニングセンターに1週間滞在した後、来日した。クダダディは9月2日に行われるテコンドー女子49キロ級に、ラスリは今月31日に行われる陸上男子走り幅跳び決勝(上肢障害T47)と来月3日に行われる男子400メートル(上肢障害T47)に出場する予定となっている。

 スペンス氏は、二人のメンタルヘルスと幸福が「最優先」だと話し、「日々、主にメンタルヘルスをチェックしている。想像通り、二人がここ数日過ごしてきた状況は深刻なものだ」とコメントした。

 パラリンピック期間中、二人が記者の取材に応じることはないという。また、二人と一緒に写真を撮りたい他選手の間で「セルフィー祭り」が起こるのを懸念する一方で、交流は認めていることを強調した。

「部屋にこもって外に出るなとは言っていない」

「3日間の隔離期間が明けたら、選手村での体験を満喫する必要があると言ってある」 (c)AFP