【9月2日 AFP】東京・日本橋に先ごろオープンしたカフェで今井道夫(Michio Imai)さんが客を迎える。実際は数百キロ離れた自宅からロボットのウエーターを遠隔操作している。

 カフェDawnは、アバター(分身)ロボットを通じて外出困難な人々に就労の機会を提供している。

「いらっしゃいませ。こんにちは」。白い小型ロボットが、入り口近くで翼形の手を振りながら客に呼び掛ける。

 今井さんが作業するのは、800キロ離れた広島の自宅。Dawnのロボットスタッフを操作する約50人の「パイロット」それぞれが身体や精神に障害がある。

 同カフェは6月にオープンした。日本各地や海外でスタッフを雇用しているが、一部はカフェの現場で働いている。

 東京パラリンピックに合わせて昨年オープンする予定だったが、コロナ禍のため延期されていた。

 テーブルに設置された「OriHime」と名付けられたロボットはカメラ、マイク、スピーカーを搭載し、パイロットと客との遠隔コミュニケーションを可能にする。

「ご注文はお決まりですか」とロボットが尋ねる。横のタブレットにバーガー、カレーとサラダのメニューが表示されている。

 客とロボットを操作するパイロットとの会話が続く一方、大きめのロボットが店内を動き回り、ドリンクを給仕したり、入り口で客を迎え入れたりする。

 バーの近くにいるバリスタ・ロボットはフレンチプレスでコーヒーを入れる。