【8月27日 AFP】アフガニスタンの首都カブールの空港付近で起きた連続爆弾攻撃で米兵13人が死亡したことで、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)政権が根底から揺らいでいるのは間違いない。

 アフガニスタン戦争を始めたのは民主党のバイデン氏ではなく、共和党のジョージ・W・ブッシュ(George W Bush)元米大統領だ。これまで4人の米大統領がこの戦争を終わらせると約束しており、バイデン氏はそれを初めて実行したにすぎない。

 それでも、自身も認めているように、責任はバイデン氏にあり、米兵の死に対する国内の怒りや恐怖、そして政治的な影響から逃れることはできない。

 共和党下院ナンバー3のエリス・ステファニク(Elise Stefanik)議員は、「(米兵らの)死の責任はジョー・バイデン氏にある」とツイッター(Twitter)に投稿。「この恐ろしい国家安全保障上と人道上の大惨事が起きたのは、ジョー・バイデン氏がリーダーとして弱く、無能なためにほかならない。最高司令官にふさわしくない」と主張した。

 同じく共和党のマーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)上院議員は、バイデン氏と同政権の国家安全保障担当幹部の全員が辞任するか、弾劾されるか、公職から追放されるべきだとツイートした。

 共和党の反発は予想通りだが、それ以上にバイデン氏を悩ませることになるのは、世論調査で示された支持率の低下だろう。

 米紙USAトゥデー(USA Today)とサフォーク大学(Suffolk University)が今週行った世論調査では、アフガニスタン戦争について戦う価値がなかったと考える米国人が圧倒的に多かった。一方、バイデン氏の支持率は41%、不支持率は55%だった。

 ジョージタウン大学(Georgetown University)のマーク・ロム(Mark Rom)教授(政治学)はAFPに対し、「バイデン氏が受けたダメージが恒久的なものになるかどうかは分からない」と述べた上で、「しかし、共和党はそうなるよう全力を尽くすだろう」と指摘した。

 マーケット大学(Marquette University)ロースクールで世論調査の責任者を務めるチャールズ・フランクリン(Charles Franklin)氏は、アフガニスタン戦争の評判の悪さを考えると、バイデン氏がこの危機を乗り越える可能性はまだあると指摘する。

「政治的に問われるのは、米軍が(アフガニスタンから)完全に撤退した後、その状況を大多数が歓迎するかどうかだ。歓迎されれば、この問題は消えていくだろう」とフランクリン氏は述べた。(c)AFP/Sebastian Smith