【8月26日 AFP】アジア歴訪中のカマラ・ハリス(Kamala Harris)米副大統領は25日、訪問先のベトナムで、中国が係争地域の南シナ海(South China Sea)で「いじめ行為」に及んでいると非難し、米国は中国への圧力を強める新たな方策を模索すると述べた。ハリス氏は前日にも南シナ海問題をめぐり中国を非難していた。

 ハリス氏はベトナムのグエン・スアン・フック(Nguyen Xuan Phuc)国家主席(大統領)との会談で、中国の南シナ海における「いじめ行為や海洋での行き過ぎた領有権主張」に対抗し続けていくと明言。「われわれは率直に言って、中国に対し国連海洋法条約(UNCLOS)を順守するよう圧力を強めていく方策を見いだす必要がある」と述べた。

 ハリス氏はシンガポールを訪問した前日24日にも、中国が資源豊富な南シナ海で威嚇行為に及んでいると非難していた。これに対し中国は25日、国営メディアを通じて反論。「中国を封じ込める策略」でアジア諸国に対する「威圧と威嚇」を試みているのは米国の方だとして、米国の偽善を批判した。

 米国がアフガニスタンの首都カブールで進める人員退避作戦が混迷を極める中、ハリス氏がベトナムを訪問したことは批判も生んでいる。1975年のベトナム戦争(Vietnam War)終結時、米国はサイゴン(Saigon、現ホーチミン、Ho Chi Minh)で、ヘリコプターを使って米大使館の屋上から最後の退避者を移送。現在のカブールでの混乱は、この時のサイゴンでの状況と比較されている。(c)AFP