【8月25日 AFP】新型コロナウイルスの起源を調査してきた米国の情報機関は24日、政府に機密報告書を提出したものの、中国からの情報不足などが原因で結論に達していないことが分かった。米メディアが報じた。

 この調査は、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が90日前に命じていた。

 ワシントン・ポスト(Washington Post)はこの件に詳しい米高官2人の話として、中国中部で最初に確認された新型ウイルスが動物を介して人間に伝染したのか、あるいは厳重な警備が敷かれている武漢(Wuhan)の研究所から流出したのか、今回の調査では確定的な結論に至らなかったと伝えた。

 同高官らによると、報告書の一部は近日中に機密解除される可能性があるという。

 バイデン氏は調査を命じた際、動物説と研究所説で米情報機関の見方は二分されていると述べていた。

 同高官らは、情報機関は「努力を倍加して」起源をめぐる議論を決着させよとの大統領令を受けたにもかかわらず、90日間の調査でも統一見解に至らなかったと明かしたとされる。

 ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、問題の一部は中国から詳しい情報を得られなかったことにあると報じている。

 中国に対しては、研究所流出説をより徹底的に評価するよう求める圧力が強まっている。

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、武漢の研究所に対するWHOの初期調査は不十分だったと認めている。WHOは先月、起源調査の第2段階として研究所の監査などを提案した。

 中国はこれに強く反発。中国国家衛生健康委員会(NHC)の曾益新(Zeng Yixin)副主任は、追加調査計画について「常識を尊重せず、科学に対する傲慢(ごうまん)さ」が表れていると指摘した。(c)AFP