【5月25日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は23日、新型コロナウイルスが中国・武漢(Wuhan)から世界に広がる直前の2019年秋、同市の研究員3人が体調不良のため病院で治療を受けていたと報じた。中国政府は24日、この報道は「全くの誤り」と一蹴した。

 同紙は米情報当局の報告書からの情報として、武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)の研究員3人が2019年11月、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と一般的な季節性疾患の両方に一致する症状」を発症したと報じた。中国が武漢での肺炎流行を世界保健機関(WHO)に報告したのは2019年12月31日だった。

 24日の記者会見で、WSJの報道について問われた中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は「全くの誤りだ」と断言。武漢ウイルス研究所の発表内容として、同研究所は「2019年12月30日以前にCOVID-19にさらされたことはなかった」とし、「職員と大学院生の間では現在まで『感染ゼロ』の記録が保たれている」と指摘した。

 武漢の研究所からウイルスが流出したとの説は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米前政権などが主張。中国政府はこれまで一貫して、この説に激しく反論してきた。(c)AFP