【8月24日 AFP】スコティッシュ・プレミアシップのグラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)は23日、ライバルのセルティック(Celtic)に所属する古橋亨梧(Kyogo Furuhashi)に対して人種差別的なチャントを歌っている様子がSNS上で確認されたファン数人に対し、「無期限のスタジアム入場禁止」処分を科すと発表した。

 映像はレンジャーズがロス・カウンティFC(Ross County FC)を4-2で下した22日の試合後に確認され、クラブは問題のファンを特定した上で処分した。レンジャーズは、問題のグループと一緒に遠征していたレンジャーズ・サポーターズクラブ(Rangers Supporters Club)に今後チケットを提供しないことも明かした。

 オフシーズンにJリーグ1部(J1)のヴィッセル神戸(Vissel Kobe)からセルティックに加入した26歳の古橋は、ダンディーFC(Dundee FC)戦でのハットトリックを含め、ここまでの7試合で6得点を挙げるなど最高のスタートを切っている。

 古橋はSNSに「僕は独りじゃない」と記し、クラブとファンのサポートに感謝の意を表した。

 スコットランド警察は、「ソーシャルメディアで拡散されている映像の存在を把握している。関連する捜査を行うため、警察はクラブと連携している」と述べた。

 横浜F・マリノス(Yokohama F Marinos)の前指揮官で、現在セルティックを率いるアンジェ・ポステコグルー(Ange Postecoglou)監督は、「正直に言うと、彼を連れてきたのは私だからとても悲しい」とクラブの公式ユーチューブ(YouTube)チャンネルで語り、全力で古橋を守っていくと誓った。

「私は日本で3年半を過ごした。外国人だったが、温かく歓迎された。日本人がどれほど礼儀正しく、他人に敬意を持っているのか知っている。亨梧を連れてきたのは私だ」

「彼の(スコットランドでの)経験は、この48時間に描かれてきたものとは正反対だと確信している。直接話をしたが、彼はここでの時間を愛しているし、街や周囲の人からの受け入れられ方も気に入っている」

「教育の問題ではない。人々は物事の善悪を十二分に認識しているが、他人に敬意を払える礼儀正しい人にならねばならない」

「われわれの最優先事項は、選手を守ってサポートすること。彼は素晴らしい男だ。彼に会えば、誰だって彼が素晴らしい青年であり、そういったいかなる種類の行為にも値しないと分かる。彼だけではない、誰もがだ」 (c)AFP