【8月24日 AFP】米首都ワシントンで今年1月6日に起きたドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者による連邦議会襲撃事件で、米議会警察(US Capitol Police)は23日、事件に関与した女性を射殺した警官の行為は合法であり、規則違反はなかったとの内部調査結果を発表した。

 議会警察は「警察官自身の命を含む人命の防衛や、深刻な身体的傷害の差し迫った危険がある人の防衛」のために殺傷能力のある武器を使用することを認めており、警官の行動はこの規則に沿ったものだったと説明した。

 事件では、議事堂内で扉を突破しようとしたサンディエゴ(San Diego)在住の空軍退役軍人アシュリー・バビット(Ashli Babbit)さん(35)が射殺された。バビットさんは熱烈なトランプ支持者だった。

 議会に侵入した人々が撮影した映像では、バビットさんらが下院の議場に通じる「スピーカーズ・ロビー(Speaker’s Lobby)」の扉を押す様子が捉えられている。バビットさんらが扉を突破しようとした時、扉の反対側にいた警官がガラス越しに発砲。バビットさんは首を撃たれ死亡した。

 警官の氏名は公表されておらず、当時はマスクをしていたため映像でも身元は分からない。

 議会警察は、この警官が「暴徒による深刻な傷害と死の危険から」議員と職員を守った可能性があると指摘。事件以来、警官とその家族が多数の脅迫を受けていることを明らかにした。

 米司法省は議会襲撃事件をめぐり600人近くを訴追する構えを示しているが、トランプ支持者はバビットさんを「殉教者」として祭り上げようとしている。トランプ氏は、バビットさんの死を殺人と呼び非難している。(c)AFP