【8月23日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)は22日、戦闘員「数百人」が反タリバン勢力最後の主要拠点となっているパンジシール渓谷(Panjshir Valley)に向かっていると発表した。

 タリバンは、アラビア語版のツイッター(Twitter)アカウントに、「イスラム首長国のムジャヒディン(イスラム戦士、Mujahideen)数百人が、平和的な明け渡しを拒否したパンジシール(Panjshir)州制圧に向かっている」と投稿した。

 タリバンがアフガニスタンを制圧して以降、政府軍兵士の一部は、反タリバン勢力の要衝として知られる首都カブール北東のパンジシール渓谷に集結している。

 反タリバン勢力のアリ・マイサム・ナザリ(Ali Maisam Nazary)報道官によると、数千人がパンジシールへ向かっているという。

 ナザリ氏はAFPに対し、パンジシールでは、アフマド・マスード(Ahmad Massoud)氏が、タリバンに対抗するために約9000人の部隊を編成しようとしていると語った。マスード氏は、2001年9月11日の米同時多発攻撃の2日前に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に暗殺された伝説的な軍閥司令官アフマド・シャー・マスード(Ahmad Shah Massoud)元国防相の息子。

 AFPが撮影した写真には、訓練に参加する数十人の新兵やパンジシール渓谷を走る装甲車両数台が写っていた。

 ナザリ氏によると、反タリバン勢力側は新しい統治制度を確立したいと考えているが、必要であれば戦闘も辞さない構えだ。

 サウジ系衛星テレビ局アルアラビーヤ(Al-Arabiya)が22日放映したインタビューでマスード氏は、「アフガニスタンの複数の州から、政府軍がパンジシールに来た」と述べた。

 同氏は、「タリバンは、このままでは長くは続かない。われわれはアフガニスタンを防衛する準備ができており、流血の事態を警告する」と語った。(c)AFP