【8月23日 AFP】米東海岸のロードアイランド州に22日、熱帯暴風雨「アンリ(Henri)」が上陸し、数万世帯が停電し、倒木などの被害が出た。記録的な雨を降らせたアンリはその後、勢力を弱めニューイングランド(New England)地域を通過した。

 米国立気象局(NWS)によると、カテゴリー1のハリケーンから熱帯暴風雨に格下げされたアンリは、22日午後0時15分(日本時間23日午前1時15分)ごろ、ロードアイランドのウェスタリー(Westerly)近郊に上陸した。

 米北東部に熱帯暴風雨が上陸するのはまれで、気候変動により海面水温が上昇したことが影響している。

 科学者らは、海面水温の上昇によりサイクロンが強大化し、より激しい雨を伴うものとなっており、世界各地の沿岸地域に住む人々を脅威にさらしていると警告している。

 米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、アンリの最大瞬間風速は27メートルで、事前予測の34メートルを下回った。

 ロードアイランドのダン・マッキー(Dan McKee)州知事は、一部地域で「大規模な洪水」が発生したと述べた。これまでにけが人は報告されていないという。

 NHCは、22日午後3時から4時(日本時間23日午前4時から5時)までにすべての警報を解除した。

 全米の停電状況を追跡するウェブサイト「PowerOutage.US」によると、ロードアイランド州では約7万9000世帯が、コネティカット州では約3万3000世帯が停電した。

 ニューアーク国際空港(Newark Liberty International Airport)では200便以上が、ニューヨークのラガーディア空港(LaGuardia Airport)とケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)では200便近くが欠航となった。

 アンリはニューヨーク市から数キロ離れた地点を通過し、21日夜から22日にかけて激しい雨が降り、強い風が吹いた。(c)AFP