【8月21日 AFP】米国防総省は20日、アフガニスタンから退避するために首都カブールの空港に到達できなかった米国人169人の救出にヘリコプター3機を派遣したことを明らかにした。

 今回の決定は、米軍が確保している空港からの移送以外の手段を使用して、退避希望者の支援を行う意向があることを示している。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官によれば、大型輸送ヘリコプター「チヌーク(Chinook)」3機が、空港から遠くない場所に位置するホテル「バロン(Baron)」へ向かった。

 同ホテルで待機している米国人グループは徒歩で空港へ向かおうとしたが、空港のゲートには大勢の群衆がいるため、米当局が安全面を懸念していた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はこの救出作戦について演説で触れていたが、詳細は明らかにしていなかった。

 米軍は先週、数万人規模になると見込まれる退避を容易にするため、カブールの空港を確保。その後は、アフガン全土を制圧したイスラム主義組織タリバン(Taliban)との衝突を回避するため、空港の外に出ることを避けてきた。

 国防総省によれば、米国人と米国ビザ(査証)を保持するアフガニスタン人の退避を円滑に進めるため、空港にいる米軍の指揮官は、現地のタリバン司令官と頻繁に連絡を取っているという。(c)AFP