短髪女子メダリストもバッシング 韓国に吹き荒れる反フェミニズム
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■政治家が男性たちの不満を利用
女性家族省の廃止を訴える人々は、同省が韓国社会の緊張を「深刻化」させていると非難しており、特に若い男性たちは、男女平等政策とうたいながら男性に関する問題に対処していないと主張している。
男性たちが特に理不尽だと訴えているのは、韓国では男性は2年近い兵役義務を課され、厳しい競争社会で学業や就職に遅れが出るにもかかわらず、女性は兵役を免除されているというものだ。
国会議員の河泰慶(ハ・テギョン、Ha Tae-Keung)氏は、女性家族省は時代遅れであり、「ジェンダー問題をめぐる争いで生じる莫大(ばくだい)な社会コスト」を減らすために廃止するべきだとAFPに語った。河氏は、保守系最大野党「国民の力(People Power Party)」から大統領候補の指名獲得を目指している。
米ノートルダム大学(University of Notre Dame)のシャロン・ユン(Sharon Yoon)教授(韓国・朝鮮研究)は、「今起きているのは、韓国におけるフェミニズム運動のここ数年の前進に対する大きな反動だ」と指摘する。
国民の力の党首、李俊錫(イ・ジュンソク、Lee Jun-seok)氏(36)は、男性若年層の間で高い支持率を得ており、女性のクオータ制と「過激なフェミニズム」に一貫して反対し、女性家族省を廃止するべきだと訴えている。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領と比べられることもある李氏は、韓国の若い女性は昔と違って、教育や就職で差別を受けていないと断言する。韓国経済新聞(Korea Economic Daily)の取材に対して、「20代、30代の女性は小説や映画の影響で、自分が差別を受けているという根拠のない被害者意識を抱いている」との自説を展開した。
一方、米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の研究者、キム・ジンスク(Kim Jinsook)氏は、政治家は鬱積(うっせき)した男性たちの不満を利用して票につなげようとしていると指摘する。
男性たちの中には、女性の雇用や高等教育を推進するアファーマティブ・アクション(差別是正措置)などによって、「自分がうまくいかないのはフェミニズムのせいだと思っている人もいる」と話した。