【8月18日 AFP】シンガポールの政労使代表からなる監視機関は17日、仏ゲーム大手ユービーアイソフト(Ubisoft)のシンガポール事業所で、性的・人種差別的なハラスメントがあったとの報告を受け、調査を開始したと発表した。同社をめぐっては、これまでにも同様の問題が発生している。

「アサシンクリード(Assassin's Creed)」や「ファークライ(Far Cry)」シリーズなどヒット作の開発・販売を手掛けてきたユービーアイソフトは昨年、性的に不適切な行為があったとの告発を受け、複数の幹部が辞任した。

 ゲーム関連情報サイト「コタク(Kotaku)」は先月、ユービーアイソフト・シンガポールの従業員と元従業員20人への聞き取り調査に基づき、ハラスメントやいじめ、人種間の賃金格差があるとする記事を掲載した。

 女性2人が不適切な体の接触や発言があったと訴えている他、1人が「現地従業員と駐在員の間に正気とは言えないほどの給与格差があった」と述べている。

 監視機関「公平で革新的な雇用慣行のための政労使連合(TAFEP)」は17日、「ユービーアイソフト・シンガポールにおける職場内のハラスメントや不公平な待遇に関する記事へのリンクが付けられた匿名の投書」を受け、調査を開始したと明らかにした。

 ユービーアイソフト・シンガポールはAFPに、TAFEPに報告された内容は把握しているとした上で、「協議中のため、現段階で話せることはない」と説明した。

「ユービーアイソフト・シンガポールを含む全てのユービーアイソフトのスタジオは、チームメンバーとパートナーが誇りに思えるような職場環境をつくり、育む努力をしている。今も、これからも、差別や虐待を許容することはない」

 英字紙ストレーツ・タイムズ(Straits Times)によると、ユービーアイソフトは国内で約500人を雇用している。

 世界のゲーム業界は長年、ゲーム内および現実世界における女性や少数派の扱いについて批判を受けている。(c)AFP