【8月18日 AFP】パキスタン出身の人権活動家でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)氏(24)が18日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の同国制圧を受け、米紙への寄稿で「アフガンの姉妹たちを心配している」と述べた。

 ユスフザイ氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)で、「アフガンでの紛争で何を誤ったのかを議論する時間は今後もあるだろうが、私たちはこの重大な場面で、アフガンの女性や少女の声に耳を傾けなければならない。彼女たちは保護、教育、約束された自由と未来を求めている」と述べた。「彼女たちを失望させ続けることはできない。私たちには時間がない」

 ユスフザイ氏は15歳の時、パキスタンのイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に銃撃され、重傷を負ったが一命を取り留めた。その後、英オックスフォード大学(Oxford University)を卒業し、世界各地で女子教育を推進している。

 カタールの首都ドーハを拠点とするタリバン政治部門のスハイル・シャヒーン(Suhail Shaheen)報道官は17日、女性に全身を覆う衣服「ブルカ」の着用を強制しない方針を示した。さらに、女性にも初等教育から大学を含む高等教育までを認めると強調し、女性が教育を受けられなくなるという懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。

 しかし、ユスフザイ氏はこの主張に懐疑的な見方を示した。寄稿で「タリバンが女性の権利を徹底的に抑圧してきた歴史を考えれば、アフガン女性の懸念はもっともだ」と批判した。「すでに女子学生が大学から追い出されたり、女性労働者が職場から追放されたりしているという報告が届いている」 (c)AFP