【8月15日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は14日、北部の要衝マザリシャリフ(Mazar-i-Sharif)を制圧した。アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領が数日前に訪問し、政府軍を激励したばかりだった。タリバンはいよいよ首都カブールに迫っている。

 窮地に立つガニ氏は、かつて反タリバンの牙城だったマザリシャリフの陥落が確認される直前、国民に向けて演説。政府軍が10日にわたって敗走を続けているにもかかわらず、これ以上の流血を防ぐと誓った。政府軍の敗走の引責や辞任には一切言及しなかった。

 政府軍は各地でほとんど抵抗を示しておらず、カブールは事実上、政府軍最後のとりでとなっている。

 タリバン側は首都への包囲網を狭め、約50キロの地点に迫っており、米国をはじめとする各国は総攻撃に備え、自国民の退避を急いでいる。

 米大使館員や現地人協力者の退避を支援するため、新たな米軍部隊がカブールに到着する中、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は新たに1000人を増派すると発表した。

 バイデン氏は国家安全保障チームとの会合後、大使館員らの退避と20年間駐留していた米軍の最終撤退の両方を支援するため、「米軍部隊約5000人の派遣を承認した」と述べた。

 米国防総省関係者によると、既に派遣が決まっていた3000人に加えて、新たに1000人が増派されることになった。以前から現地に駐留していた1000人と一緒に支援に当たる。

 バイデン氏は、「私はアフガンに米軍を駐留させた4人目の大統領だった。(4人のうち)2人が共和党、2人が民主党だ。私はこの戦争を5人目の大統領に引き継ぐつもりはない」と語った。(c)AFP/Usman Sharifi